Windows10 Fall Creators UpdateでHyper-Vの仮想スイッチが使えなくなった話

タイトルの通りです。
色々やってみて何とか解決?したので書いておきます。

数日前、PC(Windows 10)を使っていると、画面の右下に更新を促すポップアップが。
字面から大型アップデートっぽかったので、「これが噂のFall Creators Updateというやつか。。。」と思いながら一旦延期。

昨夜になって再度通知が現れたのでようやく更新作業を開始しました。
それが地獄の始まりだと思いもせずに。。。

インターネットに接続できない?

何度か再起動を繰り返し、ログインできたところで、設定を確認していました。
以前のCreators UpdateやAnniversary Updateでもちょいちょい不具合に遭遇していたので、こういうときはコンパネやら設定メニューやらを見直しています。

Windowsファイヤウォールの設定を確認していたところで、ようやくネットワーク接続が切断されていることに気づきました。
DHCPを設定していたのですがアドレスが降られておらず、アダプタの設定を見るとIPv4が無効に。

何でやねん、と思いながら有効化すると、とりあえずインターネット接続は回復しました。
Google先生を見つつほっとしたのもつかの間、本当の地獄はここからでした。

新しい仮想スイッチが作成できない

前提として、使っていたのはPCで、サーバマシンではないのですが、Windows 10でHyper-V機能を有効化して使っていました。GitlabやらLinuxの実験環境やらをVM(仮想マシン)上に構築していたのです。

家庭内LANからそれらのサーバを参照できるように、Hyper-Vでは「外部」接続タイプの仮想スイッチを構成していました(下図)。ルータやDHCPサーバはLAN内の他の端末にあるので、とりあえずL2でつながっていれば同じセグメントで便利に使えていました。

が、上記のアップデート、そしてアダプタの設定変更の後、常時起動にしていたVMが立ち上がっていない。。。
よく見ると、仮想NICに仮想スイッチが設定されておらず、仮想スイッチマネージャからはこれまで使っていた仮想スイッチが消えています。というか全ての仮想スイッチがきれいさっぱりなくなっているという状態。

慌てて仮想NICを再作成したり、仮想スイッチを再作成しようとしたりしてみたのですが、↓のエラーでどうもうまくいきません。

既定のスイッチ?

Google先生に聞いてみると、やはり先達が居たようで、下記のページが見つかりました。
Hyper-V Switch Issues after Windows 10 1709 Update

色々眺めてみたものの、Fall Creator Update以降に出た累積アップデートで対策が入っているとの記述が。

さっそく、いつもの「設定」→「更新とセキュリティ」から「更新プログラムのチェック」を実行し、PCを再起動。

そして現れたのが、既定のスイッチ (Default Switch)なるもの。
仮想スイッチマネージャから見ると詳細設定がグレーアウトしており、ネットにも”cannot delete”と情報があったので、とりあえず普通に使えるのだろうと思い、VMの仮想NICに設定してみました。

しかし、VMを立ち上げて設定を確認しても、リンクアップはしているがゲートウェイと疎通しない模様。。。
嫌な予感がしつつ、VM側(ゲスト側)でIPアドレスを固定していたものを動的アドレス(DHCP client)に変更すると、見たことのないサブネット(172.25…)のアドレスが降ってきました。この段でようやくVMがインターネットと接続されました。

よくよく調べてみると、この既定のスイッチとかいうやつ、NATなんですね。しかもポートフォワードの設定画面も見つからないので、PCの外のマシンには公開できない。

こんなサイレント仕様変更してんじゃねーよ!と憤りつつ、じゃあ別の仮想スイッチで今まで通り外部接続するわ。。。と思ったら、何とエラーで新しい仮想スイッチが作れない。。。

そして応急処置

さらに嫌な予感がしつつ、「もしかしてこれ物理NIC占有なんじゃ。。。」と思い至り、別の物理アダプタ(USBで繋ぐタイプのNIC、手元にあったWifi子機)を増設すると。。。増設したアダプタを指定して、あっさり新しい仮想スイッチの作成に成功。

そしてVMも直接LANのサブネットに接続でき、VM達は再び日の目をみたのでした(夜だったけど)。

しばらく情報を集めてみるつもりですが、「既定のスイッチ」とやらがひとつの物理NICを占有するのがMSの考えている仕様なのであれば、面倒なことこの上ないです。
せめてポートフォワードが簡単にできるとか、既定のスイッチ内のIPアドレス割り当てがコントロールできるならともかく、それもできないという事態なら、インパクトが大きいと思われます。